2010 Fiscal Year Annual Research Report
エレメンタリーサブモデルによる位相空間とその積空間の被覆性の考察
Project/Area Number |
21540149
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
矢島 幸信 神奈川大学, 工学部, 教授 (10142548)
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Keywords | エレメンタリーサブモデル / 位相空間 / 積空間 / 被覆性 / 正規性 / ZFC |
Research Abstract |
平成22年度において、位相積空間の被覆性と正規性に関しては、十分な研究結果が得られたと言える。つまり、「単調正規空間とコンパクト空間による積空間においては、その被覆性であるオーソコンパクト性から正規性が従う」という重要な結果を見つけた。それまでの結果からは、その逆を予想するのが自然であるという意味では、極めて意外な結論である。さらにそれをテルガルスキー流の位相ゲームを使うことによって、大きく発展させることができた。平成22年9月末から10月上旬にメキシコのコリマで開催された「トポロジーとその応用に関する国際会議」に招待されていたので、その会議でこの一連の研究成果を講演した。この研究成果は、コンパクト空間以外にも、順序数空間などの場合にも拡張できることを期待できる。この方向では、大分大学の家本宣幸教授が第一人者なので、彼との共同研究がさらに必要になっていくであろう。これらの研究結果自体は位相空間論の範疇に属する形で表現されるが、その証明には集合論的な手法をいたる所に用いている点が、今までの位相空間論研究の方法とは大きく異なる。それらは当然の帰結として、エレメンタリーサブモデルを使うことによって、さらに見通しの良いものとなることも期待される。当該年度は、新しい研究結果が意外だっただけに、その追求を主に進めてきた。それは研究姿勢としては正しいことではあるが、エレメンタリーサブモデルの応用とは少しかけ離れている。今後はエレメンタリーサブモデルとの関連の中で、研究を進めて行くことが課題とも言える。
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