2009 Fiscal Year Annual Research Report
無限次元ラプラス作用素の一般化と確率過程構成法および量子情報解析への展開
Project/Area Number |
21540151
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
齊藤 公明 Meijo University, 理工学部, 教授 (90195983)
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Keywords | 無限次元ラプラス作用素 / 無限次元確率過程 / 確率過程構成法 / 量子情報解析 / Exotic Laplacian / レヴィ・ラプラシアンの一般化 / ホワイトノイズの高階微分 / チェサロヒルベルト空間 |
Research Abstract |
平成21年度に上記補助金を受けさせて頂き,課題にある研究を遂行させて頂いた.本研究の目的は確率論,解析学,グラフ理論,数論,計算機科学のそれぞれの専門分野から総合的に応用に適した無限次元確率解析を共同研究し,その立場からの量子化法,さらに量情報解析として新しいアプローチを展開することにあった.今年度の研究では特に,レヴィのラプラシアンおよびその一般化(エキゾチック ラプラシアン)に基づいた確率解析をもとにホワイトノイズ理論において新しい展開がなされた.特に,このエキゾチックラプラシアンは2階微分の高階チェサロ和として定義される特殊な作用素であるが,ある種の核型空間上で,無限次元ブラウン運動を生成することが成果として得られた.この成果は国際雑誌IDAQPに掲載された.また,ホワイトノイズ超汎関数の空間を異なるオーダーをもつ無限個のエキゾチック・ラプラシアンを用いて分解し,新しいホワイトノイズ理論を展開し始めている.更に,ホワイトノイズの高階微分の汎関数空間上で,ホワイトノイズ高階微分の第2量子化作用素を用いることにより,エキゾチックラプラシアンとホワイトノイズ高階微分に基づいたレヴィラプラシアンが一致するという成果を得た.これはホワイトノイズ高階微分に基づいた理論が展開できるということを示唆している. ローマ・トルヴェルガタ大学ヴォルテラ研究所のアカルディ教授とは,本成果を基に共同研究として,新しいホワイトノイズ理論即ち,ホワイトノイズ高階微分理論を展開し始めている.付随した量子ホワイトノイズ高階微分理論も展開できることになり,この路線に沿った量子情報解析の構築が可能になったことが本課題の成果の独創的な意義のある点である.また,抽象ウィナー空間上でこれらの結果を展開し始め,ルイジアナ州立大学の郭教授との共同研究を進めている.レヴィラプラシアンは数論におけるワイルの判定法と関連があるため,数論との繋がりも検討し始めている.
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Research Products
(3 results)