2011 Fiscal Year Annual Research Report
無限次元ラプラス作用素の一般化と確率過程構成法および量子情報解析への展開
Project/Area Number |
21540151
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
齊藤 公明 名城大学, 理工学部, 教授 (90195983)
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Keywords | 無限次元ラプラス作用素 / 無限次元確率過程 / 確率過程構成法 / 量子情報解析 / Exotic Laplacian / レヴィ・ラプラシアンの一般化 / ホワイトノイズの高階微分 / チェサロヒルベルト空間 |
Research Abstract |
本研究の目的は確率論、解析学、グラフ理論、数論、計算機科学のそれぞれの専門分野から総合的に応用に適した無限次元確率解析を共同研究し、その立場からの量子化法、更に量情報解析として新しい展開をすることにあった。昨年度に引き続き本年度の研究では特に2階微分の高階チェサロ和として定義されるエキゾチック・ラプラシアン(EL)に基づいた確率解析を基にホワイトノイズ(WN)理論において更に新しい展開を行った。先ずこのラプラシアンがWNの高階微分の汎関数空間上において、WN高階微分を変数素子としたレヴィラプラシアン(LL)と同等であることを証明した。つまりELがLLの一般化であることを示した。次にELに基づくWN高階微分理論整備を行ない、成果は国際論文誌IDAQPに掲載された。更にこの成果は無限次元ブラウン運動の構成法に繋がり、超関数を基底にした無限次元ブラウン運動のある種の微分がELによって生成される超確率過程となるという結果を得た。本内容はイタリアで開催された国際会議にて発表し、国際論文誌QPWNAに掲載予定となった。ローマ第2大学アカルディ教授とは、本成果を基に共同研究として、ウイナーの一般調和解析に関連した量子WN高階微分理論の展開を続けている。この路線に沿った量子情報解析の構築が可能になったことは本課題の成果の大きな進展であり、独創的な意義のある点でもある。一方、本無限次元確率解析を抽象ウイナー空間上にて展開する研究もルイジアナ州立大学郭教授と共同で進めている。国際論文誌ROSEに掲載された幾何ブラウン運動の無限次元ラプラシアンによる特徴付けに関しても更なる一般化が完成し論文をまとめている。また、移民を伴うG-W分枝過程の定常分布の存在を具体的な形を決定し、証明することが出来た。本件は、本基盤研究で購入した計算機により得た新しいアルゴリズム及び計算機実験に基づいた予測が原点となった。本成果は国際論文誌COSAに掲載された。
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