2009 Fiscal Year Annual Research Report
非優対角行列を含む行列方程式に対するハイブリット反復法を目指しての総合研究
Project/Area Number |
21540156
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
仁木 滉 Okayama University of Science, 名誉教授 (30068879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 茂 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60140480)
濱谷 義弘 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (40228549)
河野 敏行 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90309534)
仁木 将人 東海大学, 海洋学部, 准教授 (30408033)
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Keywords | 前処理 / 定常反復法 / Krylov部分空間法 |
Research Abstract |
研究計画に従い,21年度は次の4つを中心に研究を行った. (1)既存の前処理を組み合わせる2段階前処理の効果について 上三角部分に対する前処理だけでは,最下行へ変化がないため,2段階を行った.最下行への前処理の効果は係数行列の条件によって絶大となる場合がある.我々は,さらに列による前処理を組み合わせた3段階前処理を考えた.数学的な収束定理については,これまでの1段階前処理と同等であり,その組み合わせで証明できるとした.3段階前処理は組み合わせる順序が問題となる.その比較実験の結果を現在論文誌に投稿中である. (2)超大型行列へ適用について まずはMatrix Marketの係数行列データを利用して,実験を行っている.問題の条件によって,前処理効果が弱くなることが分かっている.なぜならば,次数が大きくなると,非対角成分の非零要素は減少するか,もしくは密な場合は要素の値が微小となるため,前処理を施しても全体に対する影響が小さくなるためである.そのため,前処理付定常反復法とKrylov部分空間法とのハイブリット法について研究を進めている.2009年11月に行われた国際会議にて,その数値実験を報告した.そして,さらに大規模な問題のために,並列化のアルゴリズムの開発を行っている. (3)ハイブリット法について (2)で示したことと関連して,前処理付定常反復法は,CG系列と違い,収束過程がなめらかであり,反復1回に必要な演算量も少ない.この利点を利用して,CG系列の中で,収束過程の変化が激しい方法の1つであるCGS法との組み合わせを試みた. (4)具体的な数値実験として,分担者仁木将人が海流を考慮した汚染現象をシミュレーションする準備として,モデル化を行っている.
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Research Products
(8 results)