2010 Fiscal Year Annual Research Report
Weil-Petersson計量とTakhtajan-Zograf計量の応用
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21540192
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (00325763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (40107850)
愛甲 正 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (00192831)
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Keywords | ケーラー計量 / モジュライ空間 / リーマン面 / 漸近解析 |
Research Abstract |
2008年のTo氏,Weng氏との共著論文において,Takhtajan-Zograf計量のモジュライ空間の境界挙動の評価式を与えた.2010年10月の九大出張で再度両氏と研究を続け,境界挙動の上からの評価を最良と思われる評価に改良することに成功した.そこで用いた手法はWolpertによる退化するリーマン面の双曲計量の退化公式を応用するものである.やや複雑な非線形微分方程式の解が最大値の原理を満たすことを示すことにより,新しい評価式を得ることが出来たのである.これについては現在論文を作成中である.一方で境界挙動の下からの評価を改良することは,今回は出来なかった.今後も継続して取り組んでいきたい,この結果を含めてここ数年の代表者のTakhtajan-Zograf計量についての成果を,ドイツのOberwolfach数学研究所で紹介し,出席者と有意義な議論が出来た また,リーマン面の退化族に対するEisenstein級数の退化挙動のより詳しい評価式を与えた論文を出版することが出来た.この結果はTakhtajan-Zograf計量のL2-コホモロジーを決定するために不可欠な道具になると思われる 韓国高等研究所で代表者の最近の成果を紹介する講演を行い,初めて会う欧米の研究者と有意義な議論が出来た.京大数理解析研究所では,Weil-Petersson幾何の計量幾何学的研究の近年の進展について包括的な講演を行った.複素幾何学の優れた研究者と議論することが出来たのは,貴重な経験となった
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