2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540200
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
大阿久 俊則 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60152039)
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Keywords | 解析学 / アルゴリズム / D加群 / 積分 / 微分差分方程式 / 超関数 / 留数 / ホロノミック系 |
Research Abstract |
1. 定積分の満たす微分差分方程式系の導出アルゴリズムの研究 たとえばf(x)をn変数多項式とするとf(x)のs乗はxについての微分とsについての差分からなる微分差分方程式系を満たす.このような関数を,1個または複数の多項式不等式で定義される領域上でxのいくつかの変数について積分した関数を考えると,それはxの残りの変数と差分変数に関する微分差分方程式系を満たす.この微分差分方程式系を導出するアルゴリズムを構成した.その際,ホロノミックな微分差分方程式系の概念を定義し,被積分関数がホロノミックな微分差分方程式系を満たせば,その積分もホロノミックな微分差分方程式系を満たすことを示した.本研究代表者は10年程前に、全領域上の定積分の満たす微分方程式系を導くアルゴリズムを構成したが,本研究はそれを次の2点で補完するものである. (1) 積分領域が多項式不等式で定義されているため,被積分関数にヘビサイド関数を掛けて全領域上の定積分で表示する.その際にヘビサイド関数(に任意多項式を代入したもの)が超関数として満たすホロノミック系,およびそれと被積分関数との積の満たすホロノミック系を計算する.これは一般には代数的なテンソル積の計算で実行可能である. (2) 微分差分方程式系に対して直接積分アルゴリズムを適用することは難しいため,いわゆるメリン変換を用いて差分方程式を微分方程式に変換して(1)の方法を用いる. 2. 超関数に対する留数計算のアルゴリズム化 実係数多項式f(x)のs乗で定義される超関数はsについて複素平面で有理型となる.そこでその極における留数を計算することは興味深い問題である.f(x)のs乗に関する関数等式を用いることにより留数の満たす微分方程式系を計算するアルゴリズムを構成した.
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Research Products
(2 results)