2009 Fiscal Year Annual Research Report
関数解析的手法による微分方程式の解の存在とその性質についての研究
Project/Area Number |
21540214
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (50215943)
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Keywords | 変分法 / 符号変化解 / 解の多重性 / 変動指数 / Sobolevの臨界指数 |
Research Abstract |
近年、変動指数を含むLebesgue空間について様々な結果が報告されている。変動指数を含むLebesgue空間を次のように定義する。ΩをR^N(N≥1)の開集合とし、p(・):Ω→[1,∞)を可測関数とする。L^(Ω)={u:Ω→R,可測,∥u∥_(Ω)>(Ω)>=inf{λ>0:∫_Ω|u(x)/λ|^dx≤1}とする。また、k∈Nに対しW^(Ω)={u∈L^(Ω):∥u∥_(Ω)>(Ω)>=Σ0≤|α|≤∥D^αu∥_(Ω)>と定め、W(Ω)におけるC^∞_0(Ω)の閉包をW^_0(Ω)と定める。ΩをR^N(N≥3)における有界領域とし、(2,2N/(N-2)]の範囲を動く変動指数q(・)がΩのある点でSobolevの臨界指数2N/(N-2)を達成するとき、Dirichlet境界条件の下で-Δu(x)=|u(x)|^u(x)inΩは正値解を持つかという問題を以前考えた。その際に、W^_0(Ω)がL^(Ω)にコンパクトに埋め込めるかということが問題であった。ここでは、W^_0(Ω)がコンパクトにL^(Ω)に埋め込まれる条件についての結果を出し、それを使って、Dirichlet境界条件の下で、問題(*)-div(|▽u(x)|^▽u(x))=|u(x)|^u(x)inΩが非自明な非負弱解を持つことを、ある条件下で示した。さらに、W^_0(Ω)からL^(Ω)への埋め込みがコンパクトとは限らない場合にも、適当な仮定の下で(*)の非自明な非負弱解が存在する結果を述べた。また、前年度考察した楕円型方程式-d^2Δu+u=f(u)inΩ,∂u/∂v=0 on ∂Ωの符号変化解の解の個数の下からの評価について、議論が不十分であった点を改良した。
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Research Products
(4 results)