2010 Fiscal Year Annual Research Report
関数解析的手法による微分方程式の解の存在とその性質についての研究
Project/Area Number |
21540214
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50215943)
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Keywords | 変分法 / 符号変化解 / 解の多重性 / Sobolevの臨界指数 |
Research Abstract |
Ω⊂R^N(N≧2)を有界領域とする。非線形項fが漸近的線形な場合に、楕円型方程式(*)-d^2△u+u=f(u)inΩをDirichlet条件の下で考え、その符号変化解の解の個数の下からの評価についての結果を得た。昨年、一昨年にfが優線形の場合を議論したが、優線形の場合と異なり、十分小さいd>0ならば(*)は必ず符号変化解を持つとまでは示すことができず、f(t)/μのt→士∞での極限値をf_±と置いたとき、(f_+-1,f_-1)がH^1_0(Ω/d上の-△のFucikスペクトラムではないという仮定をつけて、符号変化解の解の個数の評価を与えた。また、全空間や半空間では、一△のFucikスペクトラムは存在しないということを示し、問題(*)に付随する汎関数のPalais-Smale列の有界性を導いた。また、有界領域Ω⊂R^N(N≧3)において、Dirichlet条件下での楕円型方程式(**)-△U=|u|^<4/(N-2)>uinΩについての研究を行った。Ωが星型領域だと、(**)は非自明解を持たないことが知られている。すごく小さなボール状の穴がΩにあいている場合に、Coronが正値解の存在を得ており、最近Clapp-Wethがもう1つ解が存在することを示した。彼らの結果はΩのトポロジーが非自明であることを使っている。ところで、Ωに細長い穴があいてΩが可縮になっている場合、Dancer,Ding,Passaseoらにより正値解の存在が得られていたが、本研究でもう1つ解が存在することを示した。証明には写像度の理論を適用した。
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Research Products
(6 results)