2011 Fiscal Year Annual Research Report
関数解析的手法による微分方程式の解の存在とその性質についての研究
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21540214
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50215943)
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Keywords | 楕円型方程式 / 変分法 / 多重解 / 正値解 / 対称性 / 楕円幾何 / 双曲幾何 |
Research Abstract |
対称性を仮定しない有界領域Ω(⊂R^N,N≧3)において、Dirichlet,条件下のBarhi-Coron問題(*)-Δu=u|^<4/N-2>u解の多重性を示した。この問題は交付申請書に書いたHenon方程式-Δu=|x|^α|u|^<4/N-2>uのαが0の場合に対応する。小さな穴があいた領域において、(*)の正値解の存在をCOronが示し、ホモロジー群が非自明な領域であれば正値解か存在することをBahri-Coronが示した。一方、可縮な領域でも、正値解か存在し得ることをPassaseoらが示している。最近、Coronの結果と同じ仮定の下で、(*)が少なくとも2つの解を持つことをClapp-Wethは得た。本研究では、Pasasseoら結果と同じような仮定の下で、(*)が少なくとも2つの解を持つことを示した。Clapp-Wethは、fixed point transferと呼ばれるトポロジーの道具を証明に用いているが、よく知られている写像度の理論を使い、簡明な証明を与えた。 楕円幾何や双曲幾何を用いて、ユークリッド空間の開単位球におけるDirichlet境界条件下の楕円型方程式Δu+f(|x|,u)=0の正値解の対称性についての結果を得た。この問題は、SerrinやGidas-Ni-Nirenbeigの研究を発端として、多くの研究者による拡張が得られている。Naito-Suzukiは、双曲幾何を用いて、Gidas-Ni-Nirenbergの結果の拡張を得ていた。本研究では、双曲幾何だけではなく、楕円幾何を使うことも有効であることを示した。非線形項f(|x|,u)が非負の値を取る場合は双曲幾何を用いることが最も有効であるが、そうではない場合は、双曲幾何よりも楕円幾何を用いる方が有効な場合があることを例を用いて示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Bahri-Coron問題は、対応する極限問題の最小エネルギーのレベルをcとすると、c,2cでPalais-Smale条件が崩れる。今回得た結果は、正値解が一意であれば、2cを越えるレベルの解の存在を示したことになっており、その手法はBahri-Coron問題とは違う方程式の高いレベルの解を捕まえるために役立つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にこれまで通りに研究する。日々の研究では、研究課題に関連する論文や本を読み、研究課題について考え、連携研究者と研究課題についてのディスカッションを行う。得られた研究成果は、日本数学会や国際会議などで発表する。またそのような場で、最新の研究についての情報収集を行う。
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Research Products
(5 results)