2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540219
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴田 徹太郎 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90216010)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 関数方程式論 / 固有値 / 漸近解析 / 変分法 / 逆問題 |
Research Abstract |
本年度は、主として常微分方程式論的手法・変分法・関数解析的手法により、非線形楕円型方程式の分岐曲線や対応する解の漸近的性質を詳細に解析すること、またそれに関連した逆問題の考察を遂行した。特に1つまたは2つのパラメーターを含む問題の分岐曲線に関する局所的・大域的漸近挙動を記述する漸近展開の公式の確立と逆問題の定式化に研究の焦点を絞った。(1)1つの固有値パラメーターを含む常微分方程式の固有値問題の順問題については、非線形項に正弦関数を含む方程式の分岐曲線の局所的・大域的漸近挙動を考察した。これまでの研究においては、非線形項が単調増加関数の場合を中心に解析してきたが、今回の研究において、正弦関数は振動する、という特徴的な性質が分岐曲線の大域的挙動に大きな影響を与えることを明らかにした。また、逆分岐問題については、未知の非線形項が、べき乗の関数の摂動であるという条件のもと、常微分方程式論的アプローチと順問題に関する漸近展開の公式を援用することにより、分岐曲線の大域的な挙動の情報から、未知の非線形項を決定することに成功した。(2)2つの固有値パラメーターを含む非線形常微分方程式の固有値問題に関しては、線形固有値問題と関連する問題の研究が重要である。今回の研究において、方程式の非線形項がべき乗のタイプであるような、生物学的背景を持つ非線形方程式の漸近解析に取り組んだ。その結果、自励系の非線形常微分方程式の解の解析に関して特に有効であるアプローチを適用することによって得られた、1つのパラメーターを含む非変形固有値問題の分岐曲線の局所的構造に関する詳細な漸近展開公式を応用することにより、2つのパラメーター相互の詳細な関係を与える漸近公式を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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