2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540229
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20111825)
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Keywords | 非線形現象 / 反応拡散方程式 / 正値定常解 / 数理生態学 / 自由境界問題 / 人口モデル / 侵入モデル |
Research Abstract |
本年度に取り組んだ課題は(i)非線形拡散を伴うLotka-Volterraモデルに対する定常問題の解析、(ii)生物種の侵入をモデルとする自由境界問題の解析の2つである.(i)については同一の領域で生存競争する2種の生物について、個体数密度による圧力が拡散を引き起こす.2種の個体数密度u,vの変化は (1)u_t=Δ[(1+αv)u]+u(a_1-b_1 u-c_1 v),v_t=Δv+v(a_2-b_2 u-c_2 v) の形の反応拡散方程式で表わされる.ここでαは交差拡散係数と呼ばれ、競合種の棲み分けを引き起こすと考えられている.境界条件u=v=oの下で(1)の正値定常解に対して交差拡散に独立なアプリオリ評価を与えることができた.この結果、αを無限大とするときの極限問題の導出に成功した.この極限問題の解析により、u=v=oの境界条件の下では、交差拡散が大きくても棲み分けは起こらないことがわかった. (ii)については1次元の棲息領域が固定境界によって囲まれとし、生物の個体数密度u(x,t)と自由境界x=h(t)が <2>u_t=du_{xx}+f(u),t>0,0<x<h(t)),h'(t)=μu_x(t,h(t)) およびu(0,t)=u(t,h(t))=0をみたすように求めるという問題である.(2)の解(h,u)のに対して展開と絶滅の性質を定義し、そのメカニズムを明らかにすることができた.この結果、自由境界が有限にとどまる限り、種は絶滅すること、種の展開が成功するためには対応する定常問題 (3>dv_{xx}+f(v)=0 v(0)=v(h_0)=0 v(x)>0 (0<x<h_0) をみたす解(h_0,v)を初期値とすれば必ず種の展開が起こることを示した.
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Research Products
(9 results)