2010 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線偏光度検出器PHENEXを用いたカニ星雲の偏光観測
Project/Area Number |
21540235
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
郡司 修一 山形大学, 理学部, 教授 (70241685)
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Keywords | カニ星雲 / 偏光 / 気球実験 / PHENEX偏光計 |
Research Abstract |
X線天文学はエネルギー、時間、イメージの3つの情報から天体の様々な物理を明らかにしてきた。しかしながらX線には偏光というもう一つ重要な情報が存在する。しかし精度の高い偏光度検出器の開発が困難であることから、ほとんど偏光の観測は行われなかった。その状況を打破するために、我々はPHENEX検出器という硬X線偏光度検出器の開発を行い、実際の天体の偏光観測を行うことを目的として研究を行ってきた。 以上の目的から2009年に開発した検出器を北海道大樹町から気球に搭載して打ち上げ、カニ星雲の偏光観測を試みた。我々が製作した検出器は上空で動作し、2006年度に製作した検出器よりもS/N比が2倍程度向上している事が確認されたが、風の状態が悪かったことと、姿勢制御系統でトラブルが起こったために、十分な観測が行えなかった。 そこで、2010年度は回収された検出器を修理し、さらに性能を向上させるための方法を模索した。その結果、回収された検出器の修理を2010年にほぼ完了させ、さらに検出器の性能を向上するためのチューンアップも行った。またうまく行えなかった姿勢制御に関しては、どこに問題があったかを入念に調べるために、宇宙科学研究所でダミーのゴンドラを作製し、方向制御のテストを繰り返し行った。その結果、姿勢制御のトラブルの原因が明らかになり、今後は安定して実験が行える目処がついた。
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Research Products
(5 results)