2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ダークエネルギー探査を用いた宇宙論スケールの重力理論の検証
Project/Area Number |
21540270
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 一博 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50284154)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 重力理論 / 大規模構造 / 重力レンズ / 銀河団 / ダークエネルギー |
Research Abstract |
最終年度は、修正重力模型の理論予言と宇宙論的観測との整合性に関する以下の成果を得た。 第一に、SDSS LRGサンプルを用いた多重極パワースペクトルの小スケールまで含めた振る舞いが、ハローアプローチに基づいた理論模型で説明できることを初めて見いだした。高次多重極スペクトルはone-halo項がその振る舞いを決定していることを発見し、これがサテライト銀河の分布と非線形領域の新しい情報を与えるとともに、コヒーレントな速度場測定の不定性を大きく解消する有益な情報となることもわかった。また、この発見をもとに、多重極パワースペクトルを用いたハロースケールでの重力の検証法について新たに研究を進めた。SDSS BOSS CMASS, LOWZ サンプルを用いた観測と理論の比較も試験的に行った。これらの成果は物理学会で発表された。また、パワースペクトル解析におけるウィンドー効果の影響と取り扱いに関する研究成果を発表した。 第2に、カメレオン修正重力模型の銀河団を用いた検証研究を前年に続き進めた。近傍の多波長での観測がなされている髪の毛座銀河団に着目し、この銀河団のガスの静水圧平衡に関する検証を行ったうえで、X線観測、スニィヤエフーゼルドビッチ効果、弱重力レンズ効果の観測と理論予言を詳細に比較し、カメレオン修正重力模型に対する制限を得た。f(R)模型に対する制限としては、宇宙論的観測の中で最も強い制限が得られた。 第3に、最も一般的な2階のスカラーテンソル理論を膨張宇宙に応用した一般的模型で、密度揺らぎの標準摂動理論の解析を行った。バインシュタイン機構が働く可能性のある模型に限ると、この理論が非線形の高次ではあまり修正重力による多様性がなく、ほとんど同じような振る舞いを示すことがわかった。高次項を記述するパラメーターの数を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)