2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストにおける閃光放射と残光放射の観測的研究
Project/Area Number |
21540302
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (80264365)
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Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 地上観測 / 人工衛星 / X線観測 / 可視光観測 / 残光 |
Research Abstract |
ロングガンマ線バーストでは、そのピークエネルギーと等方放射エネルギーの間に正相関の存在することが示唆されており、これについて我々は「すざく」衛星とSwift衛星でこれまでに同時に観測された91個のロングバーストを解析し、これら二つのパラメーター間に確かに正の相関があることを確認した。しかし、同じく「すざく」衛星とSwift衛星でこれまでに同時に観測されたショートバーストでは、これら二つのパラメーター間には相関は見つからなかった。このような性質の違いはロングバーストとショートバーストの起源が異なっているという提案を裏付けるものである。また、「すざく」衛星によるGR8090709Aの観測では閃光放射強度がおよそ0.125Hzで周期的に変動する兆候が見られた。ガンマ線ベーストの閃光放射に周期的な変動が見つかったのは初めてであり、バースト起源を考える上で手がかりを与えるものである。 本年度の可視光残光観測については、Swift衛星が検出したガンマ線ベーストのうち、宮崎大学の口径30cm自動望遠鏡で観測可能であったものは17例であり、これらについて光度の上限値を測定しガンマ線ベーストの世界的なネットワークに報告した。また、口径50cm望遠鏡を利用してフィルターを用いた詳細観測を行なうための3バンド観測装置の開発・製作を行った。この装置では人工の光によるバックグラウンドを避け、より検出効率を上げることのできるg'バンドと、CCDカメラの感度特性に合った標準的なRバンド、および残光の吸収量についての指標を得るための1バンドの3バンドで同時に観測できるように設計・製作し、較正観測によりその基本性能について確認することができた。
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Research Products
(14 results)