2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540310
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中村 英滋 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (70311131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 正和 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20236368)
数上 信 東北学院大学, 工学部, 教授 (00302232)
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Keywords | 加速器 / キッカー / 高磁場 / 高応答 / 飽和 / 入出射 / コンパクト化 / 高電圧 |
Research Abstract |
●目標達成度:本年度の計画は、高磁場実証試験(Ph-I)、高応答実証試験用装置設計・製作と試験環境の整備(Ph-II)、計測技法に関する基礎検証(Ph-IV)である。Ph-Iでは、当初目標の2倍以上となる磁束密度0.68Tを達成した。Ph-IIでは、初期試験として95%立上り時間評価で0.22Tという強磁場を達成した。理論的には更に2倍の改善余地があり、各デバイスの特性や理論面での細部(電源システムの性能向上、磁性体の飽和領域における過渡応答特性の詳細検証等)を再検討している。Ph-IVでは、コイルに誘導される強電界の生成に関して数値計算による基礎検証を実施し、強電界の発生に矛盾点がなく、従来の計測技法での新たな計測限界の一要素として確認された。引き続き、高応答特性に関する検証をシミュレーションで実施する。又、過渡応答の総合性能評価方法が無い為、評価基準も作成した。 ●副産的成果:(1)従来技術では成し得なかったマルチターンコイルでの高応答化の達成。(2)これにより上述の強磁場を達成しただけなく、電源負担の軽減と省電力化を達成。(3)又、電源出力電流が軽減され、電源のスイッチングスピード改善も期待できる。(4)他方、従来では考えられなかった電磁石に発生する電界の寄与に関して、総合性能向上への可能性も理論的に見出した。磁性体の誘電特性も重要な要素となる。 ●浮上した問題点:Ph-IIでは性能向上が確認さたが、上述の通り細部に関する検討が必要。計測技法に関しても新たな計測限界がある事が判明し、研究規模拡大の必要性が増してきている。 ●関連する新たな課題:(1)外部磁場環境下での動作。(2)非線形物性を利用した高性能化。 ※尚、H23.3.11の東北地方太平洋沖地震と多数の余震(研究拠点での最大震度は6弱)の本年度計画への影響はなかったが、次年度に必要な磁性体が多数破壊された。
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Research Products
(4 results)