2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540340
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲間 隆男 University of the Ryukyus, 理学部, 教授 (80264472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二木 治雄 国立大学法人琉球大学, 理学部, 教授 (80145549)
辺土 正人 国立大学法人琉球大学, 理学部, 准教授 (00345232)
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Keywords | 熱電能 / 電気抵抗 / 磁気量子臨界点 / 高圧力 / 強磁場 / 磁気ゆらぎ / 立方晶ラーベス相 / 希土類金属間化合物 |
Research Abstract |
本研究は,希土類金属と遷移金属の化合物について原子置換,外部磁場および高圧力などのパラメータを制御し,磁気量子臨界点に近い状態を実現し,電気抵抗および熱電能がどのように変化するかを明らかにすることが目的である.遷移金属化合物の多くは,幅の狭いd電子がフェルミ準位近傍に大きな状態密度を形成しているため,輸送特性はこのd電子状態に非常な敏感である. 今回は,高圧力中で精度良く熱電能測定を行うため静水圧性の高い二層式ピストンシリンダー型の高圧力発生装置を設計・作製を行った.また,希土類金属間化合物のNd(1-x)Tb(x)Co2およびEuCo2P2について,原子置換および圧力がこれらの物性にどのような影響を与えるかを調べた. 1. Nd(1-x)Tb(x)Co2では,Co副格子に働く分子場と4fモーメントの向きがNdでは平行,Tbでは反平行を向く.この局在磁気モーメントと分子場の相対的な向きが異なる希土類金属の置換により,輸送特性がどのように変化するかを調べた.その結果,全4f磁気モーメントが零になる組成領域で,低温における熱電能の符号が逆転することがわかった.これは,伝導電子のスピンの向きに依存する散乱が関係していると考えられ,さらに詳細に調べる必要がある. 2. EuCo2P2は,圧力により局在4f磁気モーメントの反強磁性配列から遍歴3d磁気モーメントの反強磁性へと変化することが報告されている.今回,圧力中で電気抵抗率と熱電能を同時に測定した.電気抵抗率と熱電能ともに,相転移にともない大きく変化しフェルミ準位近傍の電子状態が大きく変化していることを示した.さらに,強磁場中の輸送特性の測定も行う予定である.
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Research Products
(8 results)