2010 Fiscal Year Annual Research Report
複色中性子回折による希土類四極子秩序と原子振動の関係の解明
Project/Area Number |
21540350
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60241569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平賀 晴弘 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90323097)
松岡 英一 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (20400228)
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Keywords | 複色中性子回折 / 磁気構造 / RIetveld解析 / 希土類多極子秩序 |
Research Abstract |
本計画の目的は、希土類四極子秩序系での転移点近傍の原子・磁気モーメントの熱振動変化から、これまで情報が欠落していた格子と四極子秩序・磁気秩序の関係を理解する事にある。そのために、複色中性子回折測定を行い、異方的温度因子を高精度で評価する。研究対象は希土類正方晶化合物RB_2C_2である。 目的1:複色中性子回折実験の実用化 二つの異なる波長を複合的に用いて解析結果の精度をあげる複色中性子回折法を実用化し、本研究を行う。 目的2:DyB_2C_2での原子、磁気モーメント空間分布のT_Q近傍の温度変化評価 複色実験によりDyB_2C_2での原子空間分布のT_Q近傍での変化を実験的に明らかにする。同形の関連物質との比較から、四極子秩序、磁気秩序と原子運動の関係を考察する。 平成21年度にほぼ目的1のための装置改造を完成したので、平成22年度には実際に測定を行った。DyB2C2は吸収効果が大きく補正に注意がいることから、DyB2C2に取り組む前に、同じ結晶構造と同じ磁気構造成分をもつ希土類化合物ErB2C2およびTbB2C2での回折実験をおこない、温度因子の温度変化の評価に成功した。異方的振動の評価にはいたらなかったが、転移点前後で振動の変化を示差する傾向がみられた。これは短波長の中性子回折実験の効果と考えられ、本計画の狙いであった複色実験が有効であることを示差する結果と考えている。
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Research Products
(9 results)