2009 Fiscal Year Annual Research Report
Ce系および4d電子系超伝導体の外部パラメタ変化にともなう強相関の微視的描像
Project/Area Number |
21540370
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小原 孝夫 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (70107986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 光一 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20203440)
小山 岳秀 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (30397666)
本山 岳 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20360050)
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Keywords | 反転対称 / 超伝導機構 / 核磁気共鳴 / 正・負圧力 / 不純物添加 / 核四重極共鳴 / 格子収縮 / 非BCS機構 |
Research Abstract |
今年度はおもに外部パラメタの変化に基づく正または負の圧力効果の実験を、超伝導を示す試料群を大きく二つに分けて、NMR測定を中心におこなった。なお、ここで用いた外部パラメタとは、熱処理による局所的な原子配列の乱れや原子半径の異なる一部または全部の異原子の導入(不純物効果)を意味する。第一の群でのCePt3Siでは、熱処理により超伝導相に二相(高Tc相と低Tc相)が独立に存在することに加えて、通常の熱処理した試料でもNMR測定用に粉砕化すると、溶解後急冷処理した試料に近い試料に変質していることが比熱測定で明らかとなった(論文発表)。さらにこの粉末試料を適当な条件で再度熱処理すると、もとの熱処理試料に近い試料が得られることが、比熱測定から判明した(論文発表)。いずれもX線回折では、不純物相の存否まで含めてそれらの相違はまったく見られなかった。また反強磁性状態での磁気モーメントの向きについての結果の相違は、中性子回折(零外部磁場下)とNMR測定(外部磁場中)間で、依然矛盾のない説明がっかなかった。一方CeCoSi3では、SiをGeで置換した結果、50mK以下で反磁性(超伝導)の振る舞いが交流磁化率で観測された(学会発表)、またCoサイトへのIrの導入により常圧でも0.65Kで超伝導が確認され、これらはCePi3Si同様、結晶構造に反転対称を持たない系なので、NMRにより超伝導機構の解明を進めた(一部を物理学会で発表)。第二の系では、Rh17S15と同系でいろいろ元素置換を試みた結果、Pd17Se15で超伝導転移温度2.1Kをもつことが分かった。また、Mo3Sb7と同系では、Cr3Sb7、W3Sb7等の作製を試みた。(715字)
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Research Products
(15 results)