2011 Fiscal Year Annual Research Report
Ce系および4d電子系超伝導体の外部パラメタ変化にともなう強相関の微視的描像
Project/Area Number |
21540370
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小原 孝夫 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (70107986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 光一 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20203440)
小山 岳秀 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (30397666)
本山 岳 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (20360050)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 核四重極共鳴 / 正・負圧力 / 格子収縮 / 非BCS機構 / 反転対称 / 4d電子系超伝導 / 臨界点近傍 |
Research Abstract |
結晶中に反転対称をもたないCe化合物(CePt3Si,CeCoSi3:グループ1とする)と新規化合物(Mo3Al2C,NbRe:グループ2とする)での試料作製/NMR測定の結果、ならびに隠れた秩序の機構が物質発見後25年以上依然不明なURu2Si2(グループ3とする)の精密なNMR測定の結果を報告する。グループ1では、ともに今までこの研究期間で施した熱処理とは異なった手法で試料作製をおこない、「完全」単一相でのNMR測定を試みたが、結果的にはうまくいかなかった。ただし、CePt3Siでの容易磁化方向(C軸、NMR)と秩序化した磁気構造(C軸に直交した面、中性子回折)との相違点は、印加磁場の大きさと方向に依存するという報告が中性子回折で最近あったので、これをNMRで早急に検証する。グループ2の試料でも、やはり良質試料の作製が困難で、特にNbReでは、αマンガン構造をもつ超伝導体のため非常に興味があるにもかかわらず、NbとReのある濃度領域では2つの安定相が出来てしまい、そのうち片方の相で今回あらたに新しい超伝導相の存在が検出できた。そのため超伝導転移温度が異なるそれぞれめ相で、NMR測定を開始している。一方、Mo3Al2Cはβマンガン構造をもつ新超伝導体であり、試料作製法の改善で良質試料でのNMRをすすめる一方、高配位数にともなう原子のサイト占拠については、現在得られたMoおよびAlのNMRデータを解析中である。グループ3の単結晶URu2Si2のならびに73Ge(濃縮同位体)を用いた多結晶URu2(SiGe)2についての精密NMR/NQR測定では、主要目的の転移温度の上下での非対称パラメタの異常が、残念ながらより高精度のもとでも検出できなかった。(736字)
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Research Products
(19 results)