2010 Fiscal Year Annual Research Report
中生代白亜紀ブラジル・サンタナ層のクモ類化石の進化学的研究
Project/Area Number |
21540487
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小野 展嗣 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (50167326)
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Keywords | 層位 / 古生物学 / クモ類 / 中生代 / 化石 / 進化 |
Research Abstract |
節足動物の進化を探る上でクモ類は重要な動物群の一つである。ブラジルのサンタナ層から産出する未研究化石および現生のクモ類標本を比較形態学的、進化学的に研究し、クモ類の進化の諸相を明らかにすることが本研究の主な目的であるが、それに沿って平成22年度は以下のように研究を進めた。 1.化石および比較標本の形態学的、分類学的研究の継続(代表者およびアルバイト) 初年度同様、国立科学博物館が所蔵するサンタナ層のクモ類化石4点に関して形態・分類学的な下作業を実施した。研磨、撮影、描画、測定、解剖など多岐にわたる作業のうち、高度な技術を要するものは代表者が、また比較的単純な作業はアルバイトが行った。それに係る研究環境は同館が現有する施設(人件費を含む)で賄い、わずかの物品費(3,454円)を要した。 2.国内における参考資料の調査(代表者) 追手門学院大学の加村隆英教授ら国内の研究者と議論を進めた。また、日本蜘蛛学会第42回大会において「中生代白亜紀サンタナ層(ブラジル)のドヨウグモ類の化石」の題で口頭発表を行った。 3.海外の研究者との打ち合わせ(代表者・研究協力者) 7月にポーランドで開催された第18回国際クモ学会議に出席し、「The spider fauna of Japan, with a brief view of the geological history traced back to the Mesozoic」の題で講演を行ったほか、ドイツ・フンボルト大学付属博物館のJ.A.Dunlop博士、米国カンザス大学のP.A.Selden教授らと本研究で得られたデータについて議論を行った。同会議において国際クモ学会賞(Paulo Brignoli Award)を受賞した。海外出張のための旅費(456,290円)およびその他の費用(40,256円)を使用した。
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