2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550067
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
坪村 太郎 Seikei University, 理工学部, 教授 (70188621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佃 俊明 成蹊大学, 理工学部, 助教 (70372943)
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Keywords | 円偏光 / 発光 / 金属錯体 / パラジウム錯体 / ジホスフィン / CDスペクトル |
Research Abstract |
1) 標準サンプルとしての錯体の合成 既に合成と発光スペクトルを報告している不斉な錯体([Pd(binap)_2]やその類似錯体)をモデル錯体として合成した。 2) 円偏光発光測定装置の組み立て 現有の機器を改良して、高感度な円偏光発光測定装置を組み立てた。励起光は150Wキセノンランプを回折格子分光器(今回購入Cornerstonel30型)で分光し、必要波長を得て用いるが、発光が弱い場合は水銀灯とフィルターの組み合わせを使うこととした。円偏光発光は常法に従い、石英製ストレスモジュレータを50kHzで駆動し、偏光板を併用し、ロックインアンプで50kHz成分のみ取り出すことによって検知する。検出器の出力は今回購入したAC成分とDC成分をそれぞれ出力可能なプリアンプ(Signal Recovery社5182型)に入れ、両方の成分を高感度に検出可能とした。測定系全体を1台のPCに接続し、Labviewソフトウエアによりコントロールさせるシステムを構築した。 3) 錯体の円偏光発光の測定 不斉ジホスフィン(binap、CTH-P-Phos等のbiphep誘導体)を有するPd(0)錯体のCPL測定を行った。これらの錯体は発光強度が大きく、脱気下ではトルエン溶液中で安定であり、光励起により明るい発光を生じる。これらについて、初めて円偏光発光スペクトルを得ることができた。SとR異性体で鏡像的に観測されることも確認した。今後銅や銀錯体など一連の化合物についてCDスペクトルと比較検討を行うことで、これらの化合物の励起状態の構造について重要な知見が得られると期待している。
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Research Products
(2 results)