2010 Fiscal Year Annual Research Report
供与型白金-金属結合を有する新規クラスター錯体の合成とその機能
Project/Area Number |
21550072
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山口 正 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40230362)
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Keywords | 金属錯体化学 / クラスター錯体 / 供与型金属-金属間結合 / 白金-金結合 |
Research Abstract |
本研究では,白金II価錯体がそのaxial方向で他の金属イオンに配位した錯体の合成を目指すとともにその機能について調べるものである。本年は特にアクセプターを水銀(II)とした錯体の合成を行った。これまで白金(II)と水銀(II)を1:1で反応させた場合、電子移動が起こり、供与型の金属間結合ではなく共有結合型のPt(III)-Hg(I)錯体が精製することが知られていた。今回反応比を2:1とし、ドナーの白金錯体を[Pt(Me)2(bpy)],アクセプターをHgCl2として用い反応を行ったところ、共有結合型の金属一金属結合2個を有する三核錯体{Pt(Me)2(bpy)Cl}-{Hg}一{[Pt(Me)2(bpy)Cl]}(1)およびその異性体である共有結合型の金属一金属結合と供与結合型の金属一金属結合を1個ずつ持つ三核錯体{Pt(Me)2(bpy)}→{HgCl}-{[Pt(Me)2(bpy)Cl]}(2)が得られた。1のPt-Hg距離は2.5491(6),2.5511(6)Aと短く共有結合型であることを示しており、2のPt-Hg距離は2.5749(3),2.6654(3)Aであり、後者の結合が明らかに長く共有結合型の金属一金属結合であることを示している。得られる異性体は再結晶溶媒の種類により異なり、溶媒によっては両方の異性体とも得られることから、溶液中で平衡に有ると考えられる。溶解度を上げるためアクセプターとして[Pt(Me)2(Me2bpy)]を用いて1H-NMR測定を行ったところ速い異性化平衡反応が起こっていることが明らかになった。195t-NMRにより、低温において共有結合型の三核錯体のみが存在していることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)