2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子特異的元素を指標としたタンパク質・核酸の高感度分析法の開発
Project/Area Number |
21550094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高津 章子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 室長 (10357361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 和三 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50356490)
藤井 紳一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (10415739)
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Keywords | 核酸 / タンパク質 / 誘導結合プラズマ質量分析 / 液体クロマトグラフィー / キャピラリー電気泳動 / リン定量 |
Research Abstract |
本研究では、"分子特異的元素を指標とする計測"を可能とすることで、対象分子そのものから得られる測定データを単純化し、タンパク質・核酸の分析の高感度、高精度及び高確度化を実現することを目的とする。平成22年度は、前年度に引き続き、キャピラリー液体クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動(CE)などのナノ・マイクロ分離技術と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を結合するための全量消費型高効率フォーカス試料導入インターフェースの開発を進めた。ネブライザー先端のテーパー部分の構造などをさらに最適化することにより、試料導入効率を高めることが可能であることがわかり、分析感度も向上させることができた。また、本インターフェースを利用してCEとICP-MSを接続した分析システムを構築し、リンを指標とする核酸の高精度定量に応用した。本インターフェースを用いることにより、ゾーン電気泳動やミセル動電クロマトグラフィーに加えて、ゲル充填キャピラリー電気泳動とICP-MSの接続も可能であった。本分析システムを用いて、DNAの分子量マーカーを測定したところ、高分子である核酸分子を分子構造を維持したまま分離し、分子量ごとにリンイオンを用いて検出・定量することに成功した。これまでに、ゲル電気泳動とICP-MSによるDNA分析は報告されているが、キャピラリー電気泳動で実現した例は無く、新規手法として国際学会で報告し、注目を集めた。
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