2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子特異的元素を指標としたタンパク質・核酸の高感度分析法の開発
Project/Area Number |
21550094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高津 章子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究科長 (10357361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 和三 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究室付 (50356490)
藤井 紳一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (10415739)
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Keywords | 核酸 / タンパク質 / 誘導結合プラズマ質量分析 / 液体クロマトグラフィー / キャピラリー電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では、"分子特異的元素を指標とする計測"を可能とすることで、対象分子そのものから得られる測定データを単純化し、タンパク質・核酸の分析の高感度、高精度及び高確度化を実現することを目的として研究を実施した。平成22年度までに、全量消費型高効率フォーカス試料導入インターフェースを新規に開発し、キャピラリー液体クロマトグラフィー(キャピラリーLC)やキャピラリー電気泳動(CE)などのナノ・マイクロ分離技術と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)の高効率な結合を可能とした。 平成23年度はさらなる高効率化と感度向上を図るために、本インターフェースの気化室形状、特に、試料の壁面衝突を抑制した気化室の形状について検討を行った。具体的には、シースガス導入手法を検討するため、異なる形状・容積の気化室を試作し、高速度カメラによる液滴動態観察とICP-MSに接続した際に得られる感度及び信号安定性に基づいて評価し、最適な気化室形状を選択することにより、高効率試料導入を可能とした。さらに、本インターフェースを利用してCEやキャピラリーLCとICP-MSを接続した分析システムを構築し、生体分子である核酸の選択的検出に応用した。本法を適用することで、極微少量の試料を分離するクロマトグラフィー技術においても、ICP-MSによる分子特異的元素を指標とした分析を実現することが可能となった。 本法は、キャピラリーLCやCEを用いた分離と元素を指標とした分析を行うことから選択性が高く、かつICP-MSを用いた検出を行うことから高感度な分析を実現できる。また、生体試料分析などに有効な極微少試料分析を可能とすることから、今後、ゲノム解析における高確度ファーストスクリーニングメソッドとしての応用が期待される。
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