2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550162
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 晃 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 研究員 (50109857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 弘一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00227787)
小島 裕正 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40336772)
|
Keywords | S1-1 / RBM10 / スプライシング制御 / 転写制御 / アポトーシス関連遺伝子 / がん危険遺伝子 / 核移行配列 / S1-1 nuclear body targeting sequence |
Research Abstract |
1.スプライシング因子の異常ががんやそのほかの疾病を引き起す原因になるという着想を得、これを証明する研究を行なってきた。具体的には、本申請者が発見したS1-1が新規のスプライシング因子であり、その異常はS1-1を"がん危険遺伝子"にすることを示すことであった。 2.前年度までにS1-1が抗がん剤によるアポトーシス(細胞死)、を抑制すること、そしてスプライシング調節因子でありFas転写体の選択的スプライシングに働いてアポトーシスに抑制性のFasアイソフォームを産生させることを示した。H23年度は腫瘍形成へのS1-1の関わりを調べた。すなわちS1-1とがんの相関性について、S1-1発現レベルとがんの種類ならびにS1-1発現とがん悪性度の関係を、12種のヒトがん組織切片350片をスライドにのせたtissue array(Pantomics社)と抗S1-1特異抗体を用いた免疫組織化学的方法で調べた。しかしながら、S1-1発現とガン組織あるいはガン悪性度との間の有意な相関性は得られなかった。S1-1の変異部位特異的な発ガン機構の検討が必要である事を示すと理解する。 S.H23年度の研究過程で、S1-1が転写制御にも与る事を明らかにした。すなわち、S1-1によって発現制御をうける遺伝子群をS1-1の誘導系とノックダウン系を用いて解析し、S1-1は炎症惇疾患マーカーのcxcl10やsaa1、あるいは腫瘍壊死因子のTNF等の転写を上昇させることを明らかにした。S1-1が行う転写制御の機序解明ほ今後の課題となる。また、S1-1が細胞核に局在化するための3つの核局在化配列(NLS)を同定した。1つは新規のNLSである。さらに細胞の転写活性低下時に、S1-1をS1-1 nuclear bodyとよぶ核内構造体に集積させる局在化配列2つを分子内に同定した。これらの論文はH24年度に印刷されるであろう。
|
Research Products
(2 results)