2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550193
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岩崎 光伸 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20278740)
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Keywords | パターニング / アノード酸化チタン / 細胞誘導 / 骨芽細胞 / 人工骨 / 生体親和性 |
Research Abstract |
申請者らは、昨年度までに生体親和性が非常に高い厚膜型チタンアノード酸化皮膜材の開発に成功し,さらに光感応性パターニング法によりこのものの表面にミクロンオーダーでパターニングを施すことにより,0.2-10μmの幅広い領域で格子状にパターニングアノード酸化チタン厚膜を作製できることを明らかにしている。 本年度は,パターニングアノード酸化チタン厚膜の精密制御,および新規骨充填剤の開発を試みた。パターニングアノード酸化チタン厚膜の精密制御においては,光感応性TiO_2ゲル膜をパターニングした後,エッチングの有無によりアノード酸化される部分を制御できることを新たにみいだし,アノード酸化後の皮膜として20-100μmの精度で制御できることを明らかにした。具体的には,パターニング後,エッチング処理してアノード酸化するとTiO_2ゲル膜上にアノード酸化被膜が形成するが,エッチング処理せずにアノード酸化すると光照射部分のみがアノード酸化されることを明らかにした。さらに,これまで光感応性TiO2ゲル膜のコーティングはドライボックス中で行っていたが,Ti原料を変えることで新たに大気中でも操作できるように改良しのみならず,ゾル中に高分子を導入して粘度を増加させることによりTiO_2ゲル膜の膜厚を向上させることにも成功している。これら一連のアノード酸化チタン厚膜材をSBF溶液に浸漬させて生体親和性実験を行ったところ,アパタイト微粒子が多量に析出したことから生体親和性が非常に高いことをみいだしている。 新規骨充填剤の開発に関しては,直径0.1mmのチタンワイヤをゆるく丸めた高い空隙率を有するチタンワイヤボールを作製し,このものをアノード酸化することで三次元的に骨芽細胞が動くことができるものを新しく作製することにも成功した。
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Research Products
(19 results)