2009 Fiscal Year Annual Research Report
構造の明確な刺激応答性星型ポリマーの集合体による分子フラスコの構築
Project/Area Number |
21550209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金岡 鍾局 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10275167)
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Keywords | 星型ポリマー / 刺激応答性 / リビング重合 / カチオン重合 / ビニルエーテル / スチレン誘導体 / 高分子ミセル / アミノ基 |
Research Abstract |
均一サイズ微粒子を合成するには、星型ポリマーのコア構造の制御が重要となる。そこで本年度は、まず種々の条件で星型ポリマーの合成を検討し、星型ポリマーの枝数、コアの大きさの精密制御を試みた。具体的には添加塩基存在下、ハロゲン化金属(EtAlCl_2, SnCl_4など)とビニルエーテル(VE)のプロトン酸付加体(カチオン源)を組み合わせたリビング重合開始剤系により、アルキルVEポリマーを枝とする星型ポリマーを合成した。多数の分岐構造を有するポリマーを合成するため、星型ポリマーは、リビングポリマーに疎水性二官能性VEを添加する方法により合成した。この反応では、架橋反応を伴うポリマー同士の結合反応によるため、コアの大きさは反応条件により一義的に決まるとされてきた。本研究では、星型ポリマー生成反応段階で、徐々に二官能性VE、もしくは枝となるリビングポリマーを添加する方法で、コアサイズの制御、小さいコアと多数の枝ポリマーなど、これまでにない星型ポリマーが合成できることを明らかにした。さらに、反応条件を選ぶと、ほぼ定量的に新規星型ポリマーが得られた。星型ポリマー合成反応の検討と並行して、側鎖にアミノ基を有するVEポリマーの精密合成を検討した。側鎖にフタルイミド基を有するVEのリビングカチオン重合は、これまでにも報告されていたが、若干のオリゴマー副生など問題点があった。添加塩基開始剤系を用いることで、初めて理想的なリビング重合が進行した。
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