2011 Fiscal Year Annual Research Report
構造の明確な刺激応答性星型ポリマーの集合体による分子フラスコの構築
Project/Area Number |
21550209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金岡 鐘局 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (10275167)
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Keywords | 星型ポリマー / ドミノ合成 / 刺激応答性 / カチオン重合 / リビング重合 / ビニルエーテル / スチレン誘導体 / コアファースト法 |
Research Abstract |
星型ポリマーのワンステップ(ドミノ)合成SnCl_4/添加塩基開始剤系を用いて、イソブチルビニルエーテル(IBVE)とアルコキシスチレン骨格を有するジビニル化合物(1)の混合物をトルエン中、0℃で重合した。この反応では、まずIBVEが高選択的に重合し、IBVEの直鎖状リビングポリマーが生成した。次いで、このリビング生長末端に1が反応し、ほぼ定量的に分子量分布の狭いM_w/M_n<1.2)星型ポリマーが得られた。また、同様の方法で、温度応答性星型ポリマーのワンステップ合成も可能となり、ほぼ定量的に構造の明確な星型ポリマーを合成することに成功した。 コアファースト法による星型ポリマーの精密合成ジビニルエーテル(DVE)化合物の単独重合によりミクロゲル核を形成し、そこから枝鎖を伸長させるコアファースト法を検討した。スペーサーにシクロヘキシル基をもつDVE(2)を、THF存在下、トルエン中、0℃でSnCl_4により重合すると、比較的分子量分布の狭いM_w/M_n=1.2-1.3)可溶性ミクロゲルが生成した。そのリビング生長種を有するミクロゲルに、反応性の大きなシクロヘキシルVEを添加すると、スムーズに重合が進行し、構造の制御された星型ポリマーが高収率で生成した。 刺激応答性ヘテロアーム星型ポリマーの簡易合成複数の刺激応答性部位を有する星型ポリマーの合成を目指し、ヘテロアーム星型ポリマーの合成を検討した。それぞれ別の反応容器でリビング重合により合成した第一級アミンセグメントの前駆体であるフタルイミド側鎖ポリVEと温度応答性ポリマーを、重合終期に任意の割合で混合し、さらに架橋剤2を加えて反応させた。かさ高いフタルイミド基を側鎖に有しているポリマーの反応であるにも関わらず、条件を選択すると高収率で分子量分布の狭い星型ポリマーが生成した。脱保護して得られた第一級アミンセグメントと温度応答性セグメントからなるヘテロアーム星型ポリマーは、pHによって異なる温度応答挙動を示した。
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