2009 Fiscal Year Annual Research Report
その場X線回折によるシリコン基板上ヘテロエピタキシャル成長の観測と制御
Project/Area Number |
21560007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花田 貴 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (80211481)
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Keywords | X線回折 / 鉄シリサイド / 薄膜 / 構造転移 / エピタキシャル |
Research Abstract |
本年度は、Si上のGeドットがSiに埋め込まれる過程のX線その場観測に必要なSi用蒸着セルを購入した。しかし、ビームタイムに間に合わなかったため、反射高速電子回折で成長を確認した。SPring8では次年度と研究対象を入れ替え、β-FeSi2薄膜の成長過程を観測した。Si上のβ相薄膜は直接遷移型半導体であるが、α-FeSi2は金属であり発光素子、太陽電池などへの応用には適さない。Si上でのFeの熱反応堆積法では、α相が混在しやすいため、α相出現の原因を解明し抑制することが重要である。成長実験により、(1)Si(001)基板温度500℃以上ではα相(111)面の成長が顕著であり、一旦ある程度大きなα相結晶が形成されてしまうとβ単相を得ることはできない、(2)450℃成長では初期にα相の成長が見られるが、β相(100)面の成長に伴いα相は消滅する、(3)450℃でβ単相を得た後では、900℃までアニールしても再びα相が現れることはない、(4)450℃未満では薄膜の結晶性が良くないことを確認した。そこで最適温度450℃でのα相の成長消滅過程をX線回折で詳細測定した。それによると、β相が出現するまではα相が成長するが、β相成長に伴ってα相は消滅する。消滅過程でのα相からの散乱ピーク幅とピーク強度のX線入射角依存性とを計算と比較することによって、消滅過程でもα相の個々の結晶粒子サイズ(数nm)は減少しておらず、α相の粒子密度が減少していくことが分かった。すなわち、ほぼ粒子単位でα相からβ相への構造転移が起きることでα相が消滅してく。バルクでは950℃以上の高温で安定化するα相が、薄膜成長初期に現れる理由は、粒子サイズが小さい場合はバルクよりも低温でα相が安定になり、粒子サイズ増加と供に成長温度でもβ相が安定になるため、α相からβ相への転移が起きるためと考えられる。
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Research Products
(1 results)