2009 Fiscal Year Annual Research Report
光電子分光法による高誘電率ゲート絶縁膜/歪GeおよびSiチャネルの界面構造の決定
Project/Area Number |
21560035
|
Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野平 博司 Musashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (30241110)
|
Keywords | 表面・界面物性 / 歪Geチャネル / 角度分解X線光電子分光法 / 高誘電率絶縁膜 / 半導体界面 / 積層構造 / 深さ方向元素分布 |
Research Abstract |
"硬X線励起角度分解光電子分光法"とC-V測定、I-V測定の結果と組み合わせることで、電気的特性の優れた界面、また界面準位と固定電荷の物理的な起源および界面の熱安定性を明らかにすることを最終目的として研究を進めた。初年度である平成21年度では、歪Geおよび歪Si基板の作製方法を確立した。さらに、本年度購入したLCRメータを用いた測定によって得られた電気的特性が最もよくなるようHfO_2膜の作製条件を最適化を行い、その条件でSi-Cap/歪Ge/SiGe/Si(100)基板の上にHfO_2層を堆積した。HfO_2の堆積温度は室温である。なお、その後一部試料は酸素雰囲気中で、300℃、400℃の熱処理を行った。このようにして作製したHfO_2(10nm)/Si-Cap/歪Ge(20nm)/SiGe/Si(100)構造をSPring-8のBL46XUにおいて硬X線励起角度分解光電子分光法で評価した。測定光電子は、Si 1s、Ge 2p、Hf 3d、O 1s光電子で、それぞれ光電子の脱出角度30゜、52゜、80゜で測定した。測定結果の解析から、(1)400℃までの熱処理ではHfO_2(10nm)/Si-Cap/歪Ge(20nm)/SiGe/Si(100)構造に大きな構造変化は起こらないこと、(2)Si-cap層に未酸化のSiが存在する場合は、歪Ge層の酸化が起こらないことを見出した。これらのことは、歪Geの酸化を抑えるためには、薄いSi層が存在すればよいことを意味している。
|