2010 Fiscal Year Annual Research Report
光電子分光法による高誘電率ゲート絶縁膜/歪GeおよびSiチャネルの界面構造の決定
Project/Area Number |
21560035
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
野平 博司 東京都市大学, 工学部, 准教授 (30241110)
|
Keywords | 表面・界面物性 / 歪Geチャネル / 角度分解X線光電子分光法 / 高誘電率絶縁膜/半導体界面 / 積層構造 / 深さ方向元素分布 |
Research Abstract |
硬X線励起角度分解光電子分光法とC-V測定、I-V測定の結果と組み合わせることで、電気的特性の優れた界面、また界面準位と固定電荷の物理的な起源および界面の熱安定性を明らかにすることを最終目的として研究を進めた。2年目である平成22年度では、前年度に確立させた歪Geおよび歪Si基板の作製法およびHFO_2堆積法を用いて作製したHFO_2(10nm)/Si-Cap(0-5nm)/歪Ge(20nm)/SiGe/Si(100)構造をSPring-8のBL46XUにおいて硬X線励起角度分解光電子分光法で評価した。なお、HFO_2の堆積温度は室温で、一部試料は酸素雰囲気中で、300℃、400℃の熱処理を行った。測定結果の解析から、(1)Si-cap層が3nm以上の時、熱処理の有無にかかわらずSi-cap/歪Ge界面における歪Ge層の酸化は見られず、一方Si-cap層が1nm以下の場合、HFO_2堆積中に歪Ge層が酸化していた。これらのことは、未酸化のSiが存在する場合は、Geの酸化が抑えられることを示している。さらに、Si-cap層が薄いときに電気的特性が劣化することから、歪Geの酸化を防ぐことが電気的特性を劣化させないことに重要であると示唆される。(2)酸化したSiからのSils光電子のケミカルシフトが、Si-cap層が薄くなるほど小さくなることを見出した。これは、HFO_2/Si-cap界面に形成されるHfシリケートのHf組成比が、Si-cap層が薄くなるほど多くなることを示唆している。 また、これと並行して希土類系のLa2_O系の評価を行った。その結果、(1)W/La_2O_3/GeON/Geでは、GeONによりLa_2O_3堆積中のGeの酸化が抑えられること、(2)W/LaGeOx/Ge系では、300℃以上の熱処理でGe酸化物が減少し、LaGeOx中のGe酸化物の組成が減少することを明らかにした。
|