2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560069
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
薩摩 順吉 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70093242)
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Keywords | 応用数学 / 数理工学 / セルオートマトン |
Research Abstract |
本研究は「離散工学システムに逆超離散化の手法を適用し、対応すると期待できる微分方程式を導き、それらの方程式と工学システムの関係について考察するとともに、得られた結果を用いて非線形工学システムに対する解析手法の提案を行う」ことを目的とし、それに関して本年度は以下の研究成果を得た。 1.非線形可積分系の代表的な方程式であるパンルヴェ方程式を超離散化したものの解を構成し、超離散系においても離散・連続系がもつ解の構造を保つことを明らかにした。解は特殊関数の超離散版で与えられている。研究成果は研究発表論文のうち最初の2つおよび7番目で与えられている。 2.超離散系の「可積分性」を判定する方法を提案し、いくつかの方程式に適用するどともに、離散・連続系との対応を考察した。さらに、この研究の中で、「負の問題」を避けることのできる新しい超離散化手法を提案したが、この手法により、超離散系として扱える対象が拡がり、数理的に重要と考えられるさまざまな超離散方程式の可積分性を調べることができた。研究成果は3、5、6番日の研究発表論文で与えられている。 3.超離散系に対するカルマンフィルターを提案した。まだ準備的な結果を得ただけであるが、今後、系の拡張を検討し、ある種の非線形カルマンフィルターの構成を試みる予定である。研究成果は8番目の研究発表論文で与えられている。 4.新しい離散化の手法を提案し、さまざまな離散パンルヴェ方程式を導出した。研究成果は4番目の研究発表論文で与えられている。 これらの結果は今後、工学システムの超離散解析を行う上で有用なものと考えられる。
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Research Products
(12 results)