2009 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼炎によるタングステンカーバイドへのナノ結晶ダイヤモンド皮膜合成と接合強度評価
Project/Area Number |
21560075
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 護 Akita University, 工学資源学部, 講師 (90261651)
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Keywords | ダイヤモンド皮膜 / 材料加工・処理 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
これまで,工業的に有利な特徴を有する燃焼炎によるダイヤモンド合成により,合成ダイヤモンドと金属基板との接合強度の高い合成法を確立してきた.本研究では,この方法を応用して,燃焼炎により界面はく離を抑制しながらダイヤモンド結晶のナノ結晶化を行った皮膜をタングステンカーバイド(WC)基板上に合成し,その接合強度の定量化を行うことを目的としている.今年度は,基礎実験としてモリブデン(Mo)基板上への燃焼炎によるナノ結晶ダイヤモンド皮膜の合成,接着の可能性について検討した.この際,メタン-水素ガスを用いてダイヤモンドを合成する際にダイヤモンド結晶の微細化について窒素ガスが有効であることから,本研究においても窒素に注目した.よって,この窒素をアセチレン-酸素ガスに添加し,この際の窒素流量を変化させ合成を行い,ナノ結晶ダイヤモンドの合成が可能かどうか確かめた.ここで,通常市販されているアセチレンを用い窒素添加流量を変化させ燃焼炎によりダイヤモンド合成を行った結果,Mo基板上のマイクロダイヤモンド結晶上にナノ結晶ダイヤモンドを合成することが可能となった.しかしながら,合成されたナノ結晶ダイヤモンドが密な状態とはならなかった.そこで,アセチレン純度が高い高純度アセチレンを用いて合成を行った.この高純度アセチレンは,窒素等の不純物をほとんど含んでおらず,よって,窒素流量を変化させることで,合成皮膜の結晶の形態を変化させコントロールすることが可能である.したがって,この高純度アセチレンを用いて窒素流量を変化させ合成を行った結果,Mo基板上のマイクロダイヤモンド結晶上にナノ結晶ダイヤモンドを合成することが可能となり,さらに,合成されたナノ結晶ダイヤモンドを密な状態で合成することが可能となった.
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