2011 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼炎によるタングステンカーバイドへのナノ結晶ダイヤモンド皮膜合成と接合強度評価
Project/Area Number |
21560075
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 護 秋田大学, 工学資源学研究科, 准教授 (90261651)
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Keywords | ダイヤモンド皮膜 / 材料加工・処理 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究では,燃焼炎により界面はく離を抑制しながらダイヤモンド結晶のナノ結晶化を行った皮膜をタングステンカーバイド(WC)基板上に合成し,その接合強度の定量化を行うことを目的としている.今年度は,昨年度までに得られた合成条件に加え,さらなる合成条件を用いてWC基板上への燃焼炎によるナノ結晶ダイヤモンド皮膜の合成を行った.また,合成されたナノ結晶ダイヤモンド皮膜の引っかき試験を行い接合強度の定量化について検討した.この際,アセチレン純度が高い高純度アセチレンを用い窒素を高純度アセチレンー酸素ガスに添加し,窒素流量を変化させ合成を行った.ここで,ダイヤモンドを合成する前にWC基板の前処理である化学処理を行い,この化学処理の時間を昨年度と変えることで基板表面の粗さならびに形態を変化させ合成を行い,ナノ結晶ダイヤモンドの合成を行った.また,合成されたナノ結晶ダイヤモンド皮膜の引っかき試験によるダイヤモンド皮膜の接合強度の定量化を行うため,引っかき試験装置の製作を行い,この装置により合成皮膜の引っかき試験を行った.その結果,さらなる合成条件を用いた場合でも適度な窒素流量ならびに基板の前処理時間において,ナノ結晶ダイヤモンドを合成することが可能となった.また,合成されたナノ結晶ダイヤモンド皮膜に対して引っかき試験を行い,この際に得られたはく離が発生した限界荷重の値とダイヤモンド圧子による引っかき痕の幅からせん断応力を求め,このせん断応力の値から接合強度を定量的に求めることができた.得られた接合強度から,窒素を添加することにより合成されたナノ結晶ダイヤモンド皮膜の接合強度が変化することがわかった.また,前処理による基板表面の粗さならびに形態の変化により,合成されたナノ結晶ダイヤモンド皮膜の接合強度が影響を受けることも確認した.
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Research Products
(3 results)