2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560077
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 寛 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (80107375)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 品質管理システム / ボルト締結 / 疲労損傷 / 非破壊検査 / 超音波測定 / アルミニウム合金 / 表面弾性波 |
Research Abstract |
ボルト締結部が繰り返し負荷を受けた際に,締結部近傍で発生・進展していく疲労き裂を超音波測定によって非破壊的に評価する技術の開発を目的として,本年度は,疲労サイクル中のき裂の開閉口挙動と超音波反射波強さとの関係を明らかにするため,以下に示す事項について研究を実施した. 放電加工等により表面に小さな傷を付けた試験片の疲労試験を行い,長さ数mmの表面予き裂を導入した.次いで,周波数0.001Hz程度のごく低周波数で疲労試験を行いながら実時間で表面弾性波(SAW)測定を行った.平行して,試験片表面に存在する疲労き裂の成長過程を光学顕微鏡により観察した.次いで,圧延平板上に存在する自然きずを発生源として疲労き裂の発生・進展過程を観察するため,平板上を2次元的に表面弾性波測定を行うことにより,表面きずを検出することを試みた.また,浸透探傷によっても表面きずの検出を試みた.以上の測定により,以下の成果が得られた. 1.き裂からのSAW反射波強さはき裂の開閉口挙動に従って変化していったが,両者の間には良好な比例関係は得られなかった.これは,き裂の開口幅と超音波の透過/反射特性との間に関係があるためと思われた. 2.圧延平板状の2次元SAW測定によって検出された反射波の位置を特定し,その場所を光学顕微鏡観察した結果,表面きずの存在が確認された.この結果より,自然きずを発生源とした表面き裂の発生・成長過程の光学顕微鏡観察,及びSAW測定の可能性が示唆された.
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