2009 Fiscal Year Annual Research Report
脱臼リスクを軽減した人工股関節のカスタムメイドに関する研究
Project/Area Number |
21560132
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
新谷 一博 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (80139758)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 生体材料 / 医用工学 / ヒューマンフレンドリー / トライボロジー |
Research Abstract |
現在人工股関節へ置換した患者が抱える問題として術後脱臼があり、これを回避するには骨頭径を大径化し,ジャンピングによる離脱を避ける必要がある。また、骨頭帽を利用した表面置換法は骨頭全てを除去することなくそのほとんどを利用するため,骨温存の観点からの有効といわれているが、可動部が金属-金属接触となることからこの部分から流出する金属イオンによる細胞壊死が問題視されている。本年度はピンオンディスク型摩擦摩耗試験機を用いて、モデル的に体内の摩擦摩耗環境を模した環境下で摩擦実験を行った。骨頭やシェルに使用されるコバルト-クロム合金から排出されるイオン化物質を生体にやさしい高硬度DLC膜で囲い込み(被膜)し、これの耐摩耗性とイオン溶出量について検討した。結果より、DLC被膜化は材料間の摩擦係数を著しく低減させ,しかも耐摩耗性を向上することが明らかとなった。また、DLC膜によるイオン化物質のバリア効果があり、金属母材から流出するイオンの割合を著しく低減できることも明らかとした。さらに、実際の股関節における摩耗現象を明らかにするために、人体の股関節部分に近い状態での摩耗実験が必要となるが,複合加工機の主軸とミル軸に股関節の屈曲/伸長運動、内側回転/外側回転運動と歩行時の付加加重を3Dで再現できる摩擦摩耗試験機を設計製作し、実際の人工股関節骨頭-シェル間の実体モデルにおける摩擦摩耗評価を可能とした。
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Research Products
(8 results)