Research Abstract |
本研究では,マイクロバブルが水に対して,どのような作用を及ぼすのかを,外乱が入りにくい実験室内環境下で明らかにするため,十分にコントロールされた環境下で,一部のパラメータのみを変化させ,マイクロバブルの発生法,気体種,気泡径およびその分布,ボイド率,周囲液相の気体溶存飽和度・温度などが,気泡上昇速度,気泡溶解速度(気泡径変化),ゼータ電位,液相のDO変化,COD変化,Ph変化,電気伝導度変化などに及ぼす影響を個々に明らかにし,マイクロバブルのどのような作用が,水環境改善に役立っているのかを解明することを目的としている.平成21年度では,まず前半では,COD計とゼータ電位計の,二種の計測機を購入して,これらのパラメータの計測準備を行った.後半には本実験を行い,系統的にデータを取得していく.COD測定を除く測定では,基本的に水道水を用いて実験を行う.ただし,物性値の微妙な変化が必要な場合に限って,精製水を用いる.一方,COD測定には,滋賀県立大学内の環濠の水を用いて実験を行った.マイクロバブルを発生させる場合とさせない場合,通常の光を当てる場合と当てない場合などについて,DO値と,COD値の経時変化を調べた.与えたマイクロバブルは,加圧溶解法によって発生した,非常に気泡径の小さいもの(平均径20μm程度)とした.その結果,DO値はマイクロバブルを与えた場合には増加して飽和値をキープした.与えない場合は徐々に減少傾向が見られた.しかし,COD値に及ぼす顕著な影響は確認できなかった.今後,気泡発生法や,水の初期COD値の変化を与えて,さらに測定を継続する予定である.また,同時にマイクロバブルによる洗浄試験も行った.これは,気泡自体の性質を調べる一環であり,せん断法による気泡に,洗浄効果が確認できた.
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