Research Abstract |
本研究では,マイクロバブルが水に対してどのような作用を及ぼすのかを,外乱が入りにくい実験室内環境下で明らかにするため,十分にコントロールされた環境下で,一部のパラメータのみを変化させ,マイクロバブルの発生法,気体種,気泡径およびその分布,ボイド率,周囲液相の気体溶存飽和度・温度などが,気泡上昇速度,気泡溶解速度(気泡径変化),ゼータ電位,液相のDO変化,COD変化,Ph変化,電気伝導度変化などに及ぼす影響を個々に明らかにし,マイクロバブルのどのような作用が,水環境改善に役立っているのかを解明することを目的としている.これまで,COD計とゼータ電位計の測定を行ってきた.平成22年度に得られた結果としては,DO値はマイクロバブルを与えた場合には増加して飽和値をキープしたが,COD値も増加した.マイクロバブルによる洗浄試験では,せん断法による気泡に,洗浄効果が確認できた.一方,マイクロバブルによる摩擦抵抗低減効果についても調べ,その結果,加圧溶解方式のマイクロバブルに界面活性剤を添加した場合に,比較的大きな摩擦低減効果が表れることを確認した.一方,ゼータ電位についても,発生法による違いが確認できた.すなわち,加圧溶解法で作ったマイクロバブルのゼータ電位の絶対値は概して小さい目の値となり,せん断法で作成したマイクロバブルのそれは,より大きい絶対値を示した.このように,作成法による違いが明らかとなってきた.最終年度では,さらに系統的データ収集を行い,また違いの生じる物理的要因も探っていきたい.
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