2011 Fiscal Year Annual Research Report
歪制御による同一半導体を用いたヘテロ素子構造の研究
Project/Area Number |
21560371
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 俊之 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 教授 (30271597)
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Keywords | 電子デバイス / 半導体物性 / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
1.H^+イオン注入法を用いた歪半単体基板の歪緩和実証研究 1)H^+イオン注入法による歪半導体層の緩和達成 昨年度までのSGOI基板へのO^+イオン注入による歪み緩和の実証研究成果に引き続き,より急唆な反跳エネルギー分布をもつH^+イオン注入によって,歪み半導体の応力緩和と良好な結晶性の両立を逮成する研究を行い,歪みSGOI基板の応力緩和を実証した.しかも,歪みSGOI層の緩和率は,O^+イオンとH^+イオンともに同じSiGe/BOX(埋め込み酸化膜)界面でのイオン反跳エネルギー依存性を示し,歪み緩和の臨界イオン反跳エネルギーも両者に差が無いことも判明した.これは,昨年度において解明した歪み層の緩和機構を丈に裏付ける結果となった.これにより,本研究のイオン注入法による歪み半導体層の緩和技術が完成したと言える. 2)H^+イオン注入法による歪半導体層の良好な結晶性の遠成 H^+イオン注入された歪みSGOI層のラマンピークの半値幅は,O^+イオン注入された歪SGOI層のラマンピークの半値幅より低減化することを実現した.これは,当初の目的通り,H^+イオン注入の半導体中での急峻な反跳エネルギー分布によって,表面半導体層へのイオンダメージを抑制できた結果と考えられる.以上の結果より,H^+イオン注入法によって,イオン注入された半導体層の結晶欠陥密度の低減化も実現できた. 2.新素子構造設計の構築 3年間の本研究により,超高速CMOS素子の最適構造を示すことができた.即ち,ソースヘテロ構造CMOS素子の最適構造とその製法は,緩和/歪み半導体ヘテロ形成用の斜めイオン注入法と,その後のソース/ドレイン拡散層用のドーパントイオン注入法との組み合わせで実現可能である.
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