2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560495
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩熊 哲夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60120812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉木 功 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40292247)
山田 真幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30323083)
|
Keywords | 複合材料 / 均質化・平均化 / 界面はく離 |
Research Abstract |
まず,ツールとして作成しているプログラムの中のはく離基準については,今年度は例えば構造部材の中に用いられているFRP材の繊維表面での界面はく離について,若干の改訂した版を試みた。これは,実際に生じている界面はく離のメカニズムを模したものではなく,例えば巨視的に見られる層間剥離や破壊形態を模擬するための簡易モデルとして考えてみたもので,これまで繊維の内部応力の主引っ張り方向の界面ではく離をしていただけだったものに,恣意的にはく離方向をマクロな観点から指定できるようにしたものである。これによって,実験で実施されたFRP桁の破壊時までをシミュレーションし,かつその桁の断面の改訂案を提案した。 一方,この実験で観察された層間はく離については,さらなる検討を加え,現在,例えばプレートガーダのウェブの圧縮座屈で用いられたモデルの利用を考えている。これについては現在解析の途中である。一方,実験でも観察されたウェブの座屈についても同様の考え方で座屈基準を設定してみた。それを用い,実際に実験で座屈した桁のデータによって座屈発生強度を推定し,それを用いて残りの2体の実験桁の挙動予測をした結果,確かにこの2本のうち1本は座屈をすることが無いことを確かめられた。また残る1本については,実験で観察された終局状態の層間はく離の直後に発生する可能性があることを示すことができ,実験で部分的に観察されたウェブの座屈を説明することができた。この結果を踏まえて,剛性を落とすことなく,終局強度を上げる断面の改定案を提案した。
|