2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560564
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 勉 京都大学, 工学研究科, 特定教授 (30388805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 圭二郎 京都大学, 工学研究科, 特定准教授 (00303850)
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Keywords | 交通計画 / 交通まちづくり / 自転車交通 / 総合交通政策 / 交通需要マネジメント |
Research Abstract |
平成23年度は本研究の最終年度にあたり,過去2年間に取り組んできた成果を取りまとめるとともに,諸外国での導入が進み,我が国ではまだ実験段階にあるコミュニティサイクルについて京都市内での導入後における利用状況調査を行った.さらに,この2年間の研究成果をもとに,平成23年11月には多数の専門家や行政担当者と研究成果の共有を行い放置自転車政策の取り組みの進展を図るためにシンポジウムを開催した. 3年間の研究で明らかになったことは, (1)放置自転車「対策」だけでは問題に対応できない.自転車利用特性に応じた政策が必要である (2)地域の人たち相互の顔が見える関係だと放置自転車が少ない (3)駅前広場の地下などに大規模な駐輪場整備を行うより,数台~十数台規模でも良いので多様の駐輪施設配置を行うことで放置が少なくなる (4)駐輪場の課金は,地域の駐輪の実態に合わせて柔軟に変えることで利用が増加する(放置が減る) (5)コミュニティサイクルは,我が国の都市においては,駅を中心に朝夕の自転車利用を支える「駅りんクン」型が,諸外国のように都市内にステーションを分散配置するものよりも当面は利用性が高い (6)諸外国型のコミュニティサイクルについて一般市民の認知はまだ少なく,我が国での実用化には,まだ時間が必要であると考えられる (7)電動アシスト自転車と通常の自転車では,トリップの長さや坂道での利用が多いなど挙動が異なる.今後は高齢者だけでなく利用が増加すると考えられるので,その対応を考えることが課題となる (8)放置はマナー問題ではなく,ルール違反という認識を共有することが望まれる (9)自転車走行の車道・歩道問題が近年大きな課題となっている.道路の特性に応じた自転車走行空間のあり方の検討を進め,利用者や道路管理者も納得できる方策を検討することが課題となる
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Research Products
(3 results)