2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境価値誘発サービスを内在した清掃工場の進化による低炭素産業社会転換の評価
Project/Area Number |
21560570
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉田 登 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60263224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 泰純 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60243367)
日下 正基 和歌山大学, システム工学部, 教授 (70029221)
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Keywords | 廃棄物 / バイオマス / 省エネルギー / 清掃工場 / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、サービサイジング、エコポイントなどの環境価値誘発サービスに、グリーン電力・熱証書といった環境価値の「見える化」を内在させた空間・時間・サービス価値の広がりをもつサービス・システムを、代表的な都市環境インフラである清掃工場に提供することにより、低炭素社会への駆動力となり地域再生を促す、サービスによるエコ産業社会転換(エコ・イノベーション)への進化モデルを仮説し、この展開可能性を定量的に評価、検証することを目的とする。 平成22年度は関西地域(兵庫県・大阪府・和歌山県)の清掃工場に対して年間焼却量・年間売電量・年間買電量・年間発電量・低位発熱量'修繕費用の経年データを調査した。この調査データをもとに各清掃工場における消費電力量あたりごみ焼却量を指標とした性能水準の変化とそれに影響を及ぼす要因について分析を行った。さらに得られた分析結果をもとに延命化や、ごみ量、ごみ質変化に伴うライフサイクルエネルギーの推計を行った。 分析の結果、稼働年数、焼却負荷率は消費電力あたりごみ焼却量をそれぞれ増加、減少させる効果をもたらすこと、また特に焼却負荷率の低下が消費電力増加に大きな影響を与えることが確認された。さらに適切な延命化シナリオによりライフサイクルエネルギーを削減することができることを示した。その他、清掃工場の運用形態(維持補修回数・分別方法など)によって消費電力あたり焼却量が大きく変化していると考えられた。稼働年数、負荷率、低位発熱量の要因以外にも影響する要因の検討を行う必要があることが示唆された。
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