2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境価値誘発サービスを内在した清掃工場の進化による低炭素産業社会転換の評価
Project/Area Number |
21560570
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉田 登 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60263224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 泰純 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60243367)
山本 裕吾 和歌山大学, システム工学部, 講師 (30379127)
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Keywords | 廃棄物 / バイオマス / 省エネルギー / 清掃工場 / 長寿命化 / 環境価値 |
Research Abstract |
本研究では,まず既存のごみ焼却施設の管理主体におけるごみ焼却施設の経年的な電力消費の調査データをもとに,エネルギーからみたごみ処理の性能水準を指標とする効率変化状況を分析した.次にこの効率変化指標を,効率に影響を及ぼす技術的・社会的変数を組み込んだ関数としてモデル化し,さらにこれらの変数の将来変化を組み込んだシナリオを構築して,現状更新から省エネ化によるCO2削減と長寿命化によるコスト削減を図りながら施設維持しうる最適なシナリオを導出した.分析内容は,1)ごみ焼却施設における運転及び施設改修状況,2)ごみ焼却性能水準のモデル化,3)将来の技術・社会変化を考慮した施設改修のシナリオ評価から構成され,1)については清掃工場における,年間焼却量,買電量,売電量,発電量,低位発熱量等のデータから稼働年数・ごみ質(低位発熱量)・処理規模に対するごみ処理量(負荷率)と消費電力あたりごみ焼却量との関係性の分析を行った.あわせて施設の改修や意識の状況について分析した.2)については,消費電力あたりごみ焼却量をごみ焼却の性能水準として設定し,この性能水準がごみ質や負荷率等の変数が,どの程度影響を与えるかについて単回帰、重回帰分析の統計解析により分析を行った.3)については,単回帰分析および重回帰分析の結果をもとに,施設改修のシナリオに対するライフサイクルエネルギーの評価を行った,これらの結果より,現状更新から省エネ改修によりトータルのエネルギー消費を削減しうる施設改修が可能であることが示唆された.さらに,低炭素と資源循環とのバランスのとれた望ましい改修シナリオを如何に普及させるかについては,ごみの適正処理と資源循環を本務とする清掃工場の運営主体における省エネルギーや低炭素への認識が重要である.よって,清掃工場の運営主体における省エネルギー・低炭素への意識構造とその影響要因について回帰分析等を用いて解析を行うことがさらなる研究課題として挙げられる.
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Research Products
(4 results)