2009 Fiscal Year Annual Research Report
有明海異変透明度増加の生化学的原因解明に関する研究
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21560572
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原田 浩幸 Saga University, 理工学部, 准教授 (20222234)
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Keywords | 有明海異変 / 透明度 / 細胞外ポリマー(EPS) / 凝集性 / 全糖 / クロロフィルa / 単糖構成 / 流動特性 |
Research Abstract |
有明海へ影響を及ぼす河川としては一級河川である筑後川があげられる.この河川は土砂輸送を含め,有明海への流入負荷が大きい。有明海への土砂輸送に付着藻類の細胞外EPSが影響しているとすれば,その影響を調べることは重要であると考えられる.そこで本論文では,筑後川底泥の状況を有明海底泥との比較において検討した. 得られた成果を下記に示す。 ・ EPS中から2価の金属およびウロン酸が検出され、これらの相互作用によりEPSに凝集能力が付与されていると考えられる。 ・ 筑後川底質からも糖が検出され、光合成の影響を受けていることが示唆されたが、クロロフィルとの相関は分かっておらず今後更なる研究が必要と思われる。 ・ 底質にEPSを加えると剪断応力が発生し、これにより底質粒子の流動により大きな力が必要になることが考えられる。これはEPSと土との相互作用で凝集が起こり、粒径が増したためだと考えられる。 ・ 底質にEPSを加えて撹拌すると、粒子径が増大することが分かった。更に、それに伴い全糖量も増加し、糖と底質間での相互作用が起こっていると考えられる。 ・ 底質EPSが懸濁物質の凝集・沈降に関与し、有明海の透明度上昇およびCODの増加につながっている可能性は証明できた。しかし、底質EPS以外の要因も大きく係っていると考えられるため、今後もEPSについて検討していく必要があると考える。
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