2011 Fiscal Year Annual Research Report
家具の固定された床,壁,天井の耐震性の簡易評価方法
Project/Area Number |
21560582
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00231689)
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Keywords | 建築構造・材料 / 耐震性 / 家具固定 / 床 / 壁 / 天井 / 評価方法 / 簡易入力波 |
Research Abstract |
地震による人的被害の主要な原因のユつとして、家具や什器,備品など(以降「家具」と記す)の移動,転倒が挙げられる。これらの被害を最小限にくい止めるためには、家具を壁や天井,床などに固定するのが最も効果的と考えられる。しかし、壁や天井,床など二次部材や固定具などの耐震性に関する研究例は非常に少ない。本研究は、家具の移動,転倒防止の観点から二次部材や固定具などの耐震性を簡便に評価する方法を確立することを目的とする。 平成23年度は、固定先として最も頻度が高い壁に固定する場合を対象に、簡易評価方法の軸となる簡便な振動台で再現可能な簡易入力波について検討した。その結果、正弦波を基本とした簡易入力波を用い、振動数,波数を適切に設定することにより、家具,固定具,壁からなるシステムの地震時の挙動や損傷破壊状況をおおむね把握できることが明らかとなった。 平成24年度は、固有振動数の範囲が多様となるよう設定した数種の試験体を用い、振動数,波数が異なる種々の簡易入力波を入力したときの試験体の挙動や損傷,破壊に至る振幅などを測定,比較した。一方、静的載荷試験や振動数特性試験を実施し、システムの振動数特性に強い振幅依存性があることを明らかにした。一連の試験結果から、実際の地震時にシステムと入力波の共振現象が発生する可能性は低いこと、および地震の継続時間が長くなるとシステムにダメージが蓄積し破壊しやすくなることなどを明らかにしたうえで、これらの知見を勘案した妥当な簡易入力波を設定するとともに、簡便な振動台とあわせて評価方法を確立した。 設定した簡易入力波および振動台は丸床に固定する場合を対象とした平成21年度の研究結果と整合している。また、天井は壁と材料,構法が類似しており、同様の結果が適用可能である。以上より、一連の研究結果をあわせて、家具の固定された床,壁,天井の耐震性の簡易評価方法を確立した。
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Research Products
(2 results)