2011 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的町並みにおける災害弱者の自助・共助に向けた減災支援システムの構築
Project/Area Number |
21560641
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60281200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 慶子 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00128977)
甲斐 今日子 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (10194656)
渡辺 訓甫 佐賀大学, 工学系研究科, 客員研究員 (10037955)
田口 陽子 佐賀大学, 工学系研究科, 講師 (10435448)
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Keywords | 防災 / 歴史的町並み / 災害弱者 / 火災シミュレーション |
Research Abstract |
減災支援システムについて検鏡するために、避難訓練ワークショップを行った。肥前浜宿自主防災組織、鹿島市、佐賀大学で計画し、鹿島消防署、鹿島消防団に協力を得て実施した。庄金地区の住民23戸47人(全44戸133人中)を対象に、ある特定の家屋からの出火と大規模延焼を想定し平成23年2月13日に避難訓練を実施した。今回は、火災通報から消火栓・防火用散水設備での初期消火、避難、避難確認までを訓練内容とした。 実行メンバーで避難訓練の大筋を決定した後、住民を交え地区の現状を加味しながら詳細な訓練内容(避難地、災害弱者の誘導や救助方法)を設定し、打合せ参加住民の中から当日の役割決めを行った。さらに、住民には避難訓練前にミーティングを行い、出火場所・出火時刻・避難地を指定し伝えた。資料として、訓練中の記録(写真撮影・避難地の定点撮影)と避難時間の測定を行い、訓練後に参加住民にアンケート調査(全23世帯)と佐賀大学実施協力者(全14人)にヒアリング調査を行った。 避難訓練ワークショップを通して、歴史的町並み肥前浜宿における防災まちづくりの課題を明らかにすることができた。課題は(1)住民の火災に対する意識不足(2)防災まちづくりの体制がないこと(3)情報伝達の手段があげられる。 防災まちづくりを行う前提として教育活動等を通して火災の恐ろしさや重伝建地区が如何に火災に弱い町かを伝え、防災活動に住民の意識を向けさせる必要がある。現在、避難確認を行うための住民名簿はプライバシー保護の観点から作成することができないのだが、この町独自の体制をつくり名簿作成等を行う必要がある。また、防災まちづくりにおける役割を住民に広く持たせることにより意識付けを行う必要がある。そして、火災発生をいち早く認知できるよう防災無線の整備と火災発生の呼びかけ、避難確認を徹底することを役割の中に組み込む必要がある。
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