2009 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくり主体の多様化とプロセス重視による地域ルールの多様化に関する研究
Project/Area Number |
21560653
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 重敬 Musashi Institute of Technology, 都市生活学部, 教授 (90017997)
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Keywords | 地域ルール / エリアマネジメント / まちづくり条例 / 博多天神地区 / 安曇野市まちづくり条例 / 包括的秩序形成契約 / 事前的一般ルール同意制 / 計画適合性評価 |
Research Abstract |
初年度としてまず基礎的資料収集をおこなった。地域ルールの新しい形態であるエリアマネジメント関係ルールの収集と地域ルールの古い形態であるまちづくり条例について新しい内容をもった条例を収集した。一例を示せばエリアマネジメント関係ルールとしては、博多天神地区のアリアマネジメント協議会へのヒアリングを実施し、従来の協議会におけるガイドラインとは異なる、地区の一部に法人組織を立ち上げて地区計画などの新しいルールを持ちこみ、地区内に重層的な地区ルールを設定している事例について関係者から詳細に内容をお聞きした。またまちづくり条例に関するルールでは、都市計画規制にかえて市全域を条例で律する方向を示している長野県安曇野市のまちづくり条例について、策定に関係している専門家2名からヒアリングを実施した。それらの成果をもとに申請書に記した3名の行政法学者と1名の都市計画行政経験者からヒアリングを行い、新たな地域ルールを検討する視点を次のようにまとめることができた。(1)「基本的枠組み合意」、「包括的秩序形成契約」:基本的な方向づけに関して合意を確立しておくことが主眼、各論的な法規範的充填についてはあらゆる法的道具を活用、(2)「縮退規制」:負の方向に変化するエネルギーを食い止める法規制のあり方、逆ビジョン(負の方向への変化を、本来方向に整序する仕組み)、(3)事後的個別事例同意制から事前的一般ルール同意制への脱皮:自己拘束的ルールづくりにおける同意制、計画の事前性と事前的ルールの関係、(4)計画適合性評価手続と基準達成審査基準のバランス:定量的表現と定性的表現の関係、定性的表現と拘束性の関係、(5)事前協議義務付け型条例と街づくりルール連携型条例:第2世代型条例と第3世代型条例、イギリスの計画適合性審査モデルと都市計画マスタープラン、計画基準による計画許可と協議による計画協定、(6)案(DRAFT)段階の計画などの法的な位置づけとまちづくり条例:フランスおよびイギリスの事例
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