2010 Fiscal Year Annual Research Report
マラッカ・ジヨージタウン世界遺産のボトムアップ保存手法構築のための調査研究
Project/Area Number |
21560657
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
張 漢賢 鳥取環境大学, 環境情報学部, 准教授 (80341064)
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Keywords | 都市・地域計画 / 計画論 / 行政・制度 / 景観・環境計画 / マレーシア / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
ジョージタウン世界遺産公社(George Town World Heritage Incorporated)の要望に応じ、ジョージタウンにて日本の世界遺産の管理制度について勉強会を開いた。ペナン州首長をはじめ、世界遺産サイト関係者20名程度が参加し、文化財保存のシステム、人的資源の配置、住民参加の仕組み等について情報交換を行った。 また、伝統的な生活文化の保存活動を行っている民間組織arts-EDとPenang Heritage Trustのメンバーが来日し、住民主導の保存活動の実例として白川郷、妻籠宿に訪れた。両地域の保存運動の歴史、仕組みと現状問題について学習した。京都市景観・まちづくりセンターを訪問し、京都市の景観・京町家の保存活動にかかわる、センターの組織・役割について学習、情報交換をした。 その他、遺産の管理・運用、保存推進に携わっているGeorge Town World Heritage Incorporatedの責任者、世界遺産サイトの政府補助金を管理するThink Cityの担当者、ショップハウスを活用している若手経営者、コンサルタント、Melaka Heritage Trust等の組織やステークホルダーに対しヒアリング調査を行い、各視点から遺産サイト管理の現状と問題点の把握を試みた。 ジョージタウン世界遺産サイトの管理模索期である2008~09年に、民間の力が比較的に効果的に活用されていたと言える。2009~10年には、財源の拡充、管理組織の設立など仕組み形成面において前進したが、保存方針や調整のためのプラットホーム・仕組みが明確的でないため、有益なはずの諸働きの相乗効果を十分に引き出せていない。ボトムアップの力は、自覚されていない状況に弱体化していく恐れがある。
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