2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気転移を利用した機能材料としての遷移金属化合物の基礎研究
Project/Area Number |
21560684
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天児 寧 Shinshu University, 理学部, 教授 (90222679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美帆 信州大学, 理学部, 准教授 (80362614)
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Keywords | 磁気転移 / 機能材料 / 遷移金属化合物 / 磁化測定 / メスバウアー分光 / (Fe,Mn)Rh / 強磁性形状記憶合金 / 磁気冷凍材料 |
Research Abstract |
ホイスラー合金やラーベス相などの遷移金属化合物がハーフメタル特性、強磁性形状記憶効果等多彩な機能特性を持っていることが明らかになり、新機能材料の有力な候補として基礎、応用の両面から活発に研究が為されている。H.Yamadaらは3dと4dの遷移金属で構成される擬二元系合金(Fe,Mn)(Rh,Pd)系で磁場誘起によるマルテンサイト変態が起こることをGGAを取り入れた第一原理計算に基づき仮想原子近似を用いて示している。また、彼らはスピン揺らぎを取り入れた遍歴電子メタ磁性理論からMg(Co,Ni)_2系やFe(Si,Ge)系等が高い磁気冷凍材料としての特性を示すことを見いだしている。そこで、本研究では主に磁気転移を利用した機能材料(Fe,Mn)(Rh,Pd)系、Fe(Si,Ge)系について、磁化測定、メスバウアー効果測定などの手段を用いて実験的にこれらの磁気特性について明らかにすることを目的としている。本年度は、Fe_<1-x>Mn_xRhについて試料を作成し、以下の研究成果を得た。1)すべてのMn濃度において、室温でCsCl型結晶構造をとることがわかった。2)4.2Kの磁化測定より,0.1≦x≦0.4の領域では4μB/f.u.を超える大きな自発磁化(M_s)を持つことを示した。3)さらにxを増加させるとx=0.6近傍でM_sが急激に減少し,x=0.8では0となることを示した。4)このx=0.8の80Kでの^<57>Fe核メスバウアー効果測定の結果、内部磁場が25Tと大きいことから、反強磁性状態にあることを明らかにした。また、Fe(Si,Ge)系については、Yeoらの磁化測定の結果と我々の準備実験の結果に相違点があることを再確認した。
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