2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560693
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿又 武 東北学院大学, 工学総合研究所, 客員教授 (60048816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菜嶋 理 東北学院大学, 工学部, 准教授 (00265183)
岡田 宏成 東北学院大学, 工学部, 准教授 (40508751)
|
Keywords | 巨大磁気抵抗 / 磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / ホイスラー合金 / 相転移 / 光電子分光 / 電子状態 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
Ni-Mn-z(z=!n,Sn)磁性形状記憶合金においては、マルテンサイト(M)相からオーステナイト(A)相への結晶変態に伴い電気抵抗率が急激に減少する。また、上記合金のM相の現れる温度領域で、磁場を作用させると磁場誘起逆マルテンサイト変態が現れ、同時に巨大磁気抵抗効果が観測される。上記合金に現れる巨大磁気抵抗効果の起因を調べる目的で平成23年度は以下の研究を行った。 1 Ni-Mn-ln磁性形状記憶合金の光電子分光実験をA相、M相を含む広い温度領域で行った。更に同合金のフェルミレベル近傍の電子状態を理論面から調べる目的で第一原理計算を行った。計算は共同研究をしている理論グループによって行われた。実験と理論計算の結果、Ni_2Mn_<1.5>In_<0.5>磁性形状記憶合金においてはM相において擬ギャップが形成されていることが分かった。擬ギャップの形成が上記合金のM相における高い電気抵抗率の起因、すなわち巨大磁気抵抗効果の起因に関係していると予想される。 2 Ni_2Mn_<1.38>In_<0.63>合金の磁気抵抗効果の実験を42Kから260Kの温度領域で行った。すべての温度領域で巨大磁気抵抗効果を観測し、M相からA相への磁場誘起逆マルテンサイト変態の臨界磁場の温度依存性を詳しく調べ、上記合金のカイネテックアレスト効果について熱力学的に考察した。 3 平成21年度、平成22年度に引き続き、新磁性形状記憶合金の探索を行った。平成21年度、22年度においては、巨大磁気抵抗効果を示すPd-Mn-Sn合金を発見した。平成23年度は基本的に反強磁性構造を持つ新磁性形状記憶合金Pd-Mn-lnを発見した。 以上の研究成果は巨大磁気抵抗効果の電子論的理解に重要な知見を与える。
|
Research Products
(34 results)